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『発見! 不思議の国のアリス』疑問点

 投稿者:木下信一  投稿日:2017年 6月 4日(日)12時22分33秒
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  読んでいて疑問に思ったのが、以下の部分。

p.8
『イギリスのバラード』The Book of British Ballads→「バラッド」では?
p.9
デアズベリー→今では「ダーズベリ」が一般的
p.14
「ヴィクトリア時代の幕開けと共に(一八三七年)、より速度の速い電気機関車が登場し、路線も大幅に拡大していきました」→電気機関車は発明されたもののとても実用にはならず、イギリスで正式に導入されたのは1880年代。実際にはホームズの時代でも蒸気機関車が主要な交通機関であった。
p.15
(テニエルの挿絵の説明)「鏡の国のアリス」で電車に乗るアリス」→もちろん、アリスが乗っているのは「列車」。電車はまだ発明されていない。
p.25
「『不思議の国のアリス』では、アリスがニセウミガメから「君はタラに会ったことがあるよね?」と聞かれ「ええ、よく見るわ、晩ごはんの時に……」《中略》物語が書かれた一八六〇年代初頭は、ちょうどロンドンの町中でフィッシュ・アンド・チップスのメニューが流行し始めた時期でもあります。こうした何気ない会話からも当時のロンドンの様子が読み取れるでしょう」→後の描写ではっきりしているように、アリスが食べたのはフィッシュ・アンド・チップスでhない。第一、アリスの階級が、総菜を買って帰って夕食にする筈がない。
p.30
「地下鉄といってもこの時代にはまだ電車が発明されておらず、それは蒸気機関車でした」→自分で書いていて、p.14,15の記載がおかしいとは思わなかった?
p.31
(地下鉄の項目で)『地下の国のアリス』では、アリスは白ウサギを追いかけて深い穴に落ち、地下空間を移動しながら次々と目新しい出来事に遭遇しきます。このように時代背景を知ると」→確かに地下鉄と地下を結びつける考えはあるが、当時開業されていたロンドンの地下鉄線は非常に浅いところにあり、「深い穴」というアナロジーは使えないように思われる。
p.35
(ツーリズムの項目で)「このような時代背景を知ると、アリスの物語では、アリスが不思議の国を観光しているようにも見えてきます」→考えすぎでは? ツーリズムは「観光」と同時に「ガイドのいる団体旅行」が特徴。アリスはガイドもなくさまよっている。
p.41
「さらにテニエルの描くチェシャ猫は三日月のような弧を描く口で、ニヤニヤ笑いを浮かべています。昔は月から発せられる霊気に当たると気が狂うという迷信があり、チェシャ猫の描写もまた狂気を連想させるものです」→チェシャ猫の口と三日月のアナロジーはディズニー版のオリジナル。
p.50
「葉っぱに人が乗れるほどのスイレンの花を展示したことでも話題になりました」→小学生でも知っている「オオオニバス」の名前を知らない? この植物の学名がヴィクトリア女王にちなんでVictoria regia、後にVictoria amazonicaとなった話など、ヴィクトリア朝と植物の関連では略せない話であろうに。
p.53
(「女王のクロッケー場」の挿絵に)「テニエルの挿絵では、アリスを叱る女王の向こうに巨大な音質が見えます。これも王や女王の権力を象徴するものの一つでしょう」→「首を切れ」がアリスを「叱る」? また、この温室はオクスフォードの植物園の温室がモデルになっていることが知られている、王権についての議論以前に、本来何がモデルだったかということを示すべきでは?
p.57
「キャロルが撮影したクシー・アレクサンドラ・キッチン」→彼女の名前はアレクサンドラ・キッチン。あだ名がエクシー(またはクシー)。これではアレクサンドラがミドルネームになってしまう。
p.59
アリスの身体変化を写真に結びつけているが、桑原茂夫の受け売り。牽強付会の部分多し。
p.63
「「これは面白そう」、「これはへんてこりんね」と呟きながら移動するアリスは、まるで万博会場を見てまわる人のようです。物語には万博のイメージも使われているようです」→p.35で書いていたことは?
p.69
「メアリー・アンというのはヴィクトリア時代に実在したメイドの名前です」→ここで主人に見初められたメイドのメアリ・アンが出てくるが、当時、メイドの多くはメアリ・アンと呼ばれていたことは無視?
p.70
(ロンドン動物園)「ここにはクマのプーさんのモデルとなったクマのウィニーや」プーのモデルはあくまでクリストファー・ロビンの持っていたぬいぐるみ。そのぬいぐるみの名前のもとになったのがウィニー。第一、アリスの時代ではない。
p.80
キャロルとダーウィニズムについて書いているが、Wilberforce-Huxley debateについて全く触れていない。
p.81
「すなわち生物が同じポジションを保っていくためには周囲の環境に応じて変化し続ける必要があり《中略》このせりふからもキャロルがダーウィンの進化論について少なからず意識していたことがうかがえるでしょう」→「赤の女王仮説」とその概念が唱えられるのは1970年代。
p.83
(ドードーについて)「キャロルには子どもの頃より吃音が見られ、本名のドジスンを名乗る時に「ドッ、ドッ」と発音してしまうことから、その名前の鳥に親近感を持っていたからだと思われます」→一時期はそう言われていたが、キャロルの吃音は、「正確には吃音というものではなかった。雑音を立てず、単に口を開けるだけだったのだから。ただ、間があった。見ているものからしたら、とても神経質な間だった」という証言がある。むしろドッドソンだからドードーというほうがすっきりする。
p.89
「キャロルは生き物たちの描写を通じて弱肉強食と食物連鎖のテーマを作品に反映しているのです」→うがち過ぎでは?
p.80
(空に浮かぶチェシャ猫の顔を前に議論している王や女王の挿絵に対し)「上の挿絵では、キングとクラブの従者の服装が描き分けられています。《中略》人々の間で競争意識が増し、上昇志向の強かったヴィクトリア時代においては……」→「従者」ではなく刑吏。しかもどちらの衣装もヴィクトリア朝ではない。
p.97-98
「一八三七年にはイギリスに電気機関車が登場し、これによりスポーツ用品の流通がスムーズになったばかりでなく」→p.14への疑問点参照。
p.117
(『シルヴィーとブルーノ』の説明)「短編「妖精シルヴィー」と「ブルーノの復習」を基に生まれたキャロルの実験的小説で」→「復讐」。短篇「ブルーノの復讐」が、物語の中の二章「妖精シルヴィー」と「ブルーノの復讐」になった。
 
 
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